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映画「パッション」
誰も描けなかった、真実ゆえの衝撃。・・・その凄惨さゆえに全米ではR指定となり、ローマ法王をも巻き込んでの論争に発展、公開前にもかかわらず、世界中のメディアが連日報道。・・・どうか、目を背けないでほしい。 すべては、その受難の後に始まるもの――。(パッション オフィシャルサイトNIPPON HERALD FILMSより)

イエス・キリストの受難を描いた映画「パッション」の宣伝文句は言葉巧みだ。私たちの怖いもの見たさを刺激し、しかも恐怖の向こうには想像を絶する感動が待っているかのようなイメージ作りを行っている。さすがはアメリカ映画だと脱帽しよう。

イエスの生涯や彼の起こす奇跡を描いた映画は、これまでにもたくさんあった。僕がもっとも親しみを感じるイエス像は、ルイス・ブニュエルの「銀河」に出てくるイエス。早朝に弟子たちとの待ち合わせに遅刻して、「すまん、遅れた」と恥ずかしそうに詫びる姿が人間的だ。ブニュエルやパゾリーニのような無神論者にとっても、キリストの姿は西洋文明の根幹と繋がるだけに特別なもの。ましてや、キリスト教信者であれば、キリストの「聖性」を映像によってどう描くかが問題となる。果たして、メル・ギブソンの「パッション」の場合は・・・
この作品は、キリストの受難を描く残酷な場面で話題になった。西洋の宗教芸術を鳥瞰すれば、確かに受難や殉教の凄惨さを強調し、イエスや聖人を血みどろに描くことが多いのは承知の事実だ。特に中世においては、信仰心と恐怖心は密接に繋がっていたらしい。メル・ギブソンはこの古典的な手法を、現代の映像技術によって甦らせる。

僕は、「MAY <メイ>」と比較すればずっと単純で稚拙に思える「パッション」の残虐シーンを見ながら、ギブソンはどこにキリストの聖性を描こうとしているのかと訝った。おそらく、熱心なカトリック信者メル・ギブソンにとっては、イエスが神の子であることは自明の事実で、ただ稲妻が轟いたり、カラスが鳴いたり、地震でユダヤ教の神殿が壊れたりすれば、イエスの神聖さの証明として充分だと思ったらしい。

人物たちが話す言語や衣服などは歴史考証によって、厳密に再現されていて、そのことは興味深い。仮に主人公イエスを私たちと同じ一人の人間として捉えれば、この映画は信念を貫く男の深い孤独を冷徹に描いているといえる。僕は、映画の前半ですでに神の子としての聖性を探すことはやめて、ひとりの孤独な男としてイエスを見続けた。民族や身分の違いを超えた愛を民衆に唱え、その結果として迫害された男の、誰からも理解されない寂しさ、深い孤独を描いたと。さもない、この映画はただのホラーか子供だましの映画に堕するほかにない。とはいえ、そう考えても腑に落ちないシーンが多々あるのだが・・・

できたら、悪魔のような男や、カーカー鳴くカラスや、稲妻や地震が起こらなければよかったのだが・・・なぜ、あれほどユダヤ教の聖職者に憎まれて、イエスは磔刑されなくてはならなかったのか?その点をギブソンは描くべきだった。でも、ギブソンは歴史的な人物としてイエスを捉える視点はもたなかったらしい。最後まで見て、なにか歯で砂を噛んだような印象が残る作品だった。
| 2004年5月の映画 | 18:12 | comments(2) | trackbacks(0) |
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コメント
 こんにちわ。突然のメールで失礼致します。m(_ _)m
 実は、数年前のとある映画の題名を探しておりましたら、このサイトを見つけました。もしも、ご存知のようでしたら、教えていただければ幸いです。(._.)ペコリ

 その探している映画なんですが、確か、3,4年前の映画なんですが、マルキ・ド・サドをモデルに作られた映画なんです。
 時代設定は中世のサドが生きていた時代で、もちろん登場人物もみんな、モーツァルトのような中世のフランスのような格好をしていました。
 主人公(この人が、サドだと思いますが)が、牢屋に入れられたと思うのですが、獄中で面会に来たある若い女性に、性の教えを説き(やはりSMっぽいのですが)、最終的には、その若い女性を主人公好みの最高の処女を作るという内容だったんです。

 実は、これは深夜の”新作映画の特集”で紹介されていた予告でして、題はよく覚えていないのですが、鳥取では上映されませんでした。そこで、神戸や宝塚などの映画館に問い合わせてみましたが、「内容が少し、過激なようですから、当館では、上映予定はありません。」というお返事ばかりで、ついに実際に映画館で目にかかることが出来ませんでした。

 あれから数年経ちましたが、もうDVDも発売されているはず・・・。ですが、どうしても”題名”が思い出せないんです。

 突然のメールで、このようなことをお尋ねするのは大変失礼かと思いますが、もしも、ご存知のようでしたら教えていただけませんでしょうか?よろしくお願いします。(._.)ペコリ

 ニーナ・ソフィアより ☆:*:・°

☆。.・~〜・.。★。.・~〜・.。☆。.・~〜・.。★。.・~〜・.。☆

| ニーナ | 2006/03/05 1:58 AM |
ニーナ様、
ブログで質問されてめったに答えられたことがない無知な男ですが、そのサドについての映画ならわかりそうな気がします。
まず、主演女優は「タイタニック」のヒロインと同じケイト・ウィンスレットではないですか?設定はフランス革命前のバスティーユの牢獄だけど、役者はみんな英語を話していた?ふむ、だとすると、Quillsという作品です。でも、彼女はサドへ面会にいくんじゃなくて、洗濯娘です。不埒で頭がイカれていてもサドは侯爵ですから、牢獄で面倒見てくれるひとがいたんでしょう。
とはいえ、ニーナさんの予告編の印象とは少し違うかも。結構まじめな映画でしたよ。参考までにDVDの紹介ページを以下に挙げます。違っていたら御免なさい。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001ZX1PK/249-1099677-2885128
| jokigen | 2006/03/05 1:10 PM |
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