
先月末に南半球のニューカレドニアへ行ったとき、日曜日にビーチで読んだのが俵万智の歌集「プーさんの鼻」。
あの「サラダ記念日」でデビューした歌人もいまは一児の母でシングルマザーでいらっしゃる。短歌のひとつひとつに、生まれた子供の愛らしさ、深い愛情、そして時々垣間見える複雑な事情などが感じられた。このピンク色の表紙の本を手に持っていると、赤ちゃんの肌の温もりが感じられるようだ。ぬくぬくした南の島のビーチで寝ころびながら、この歌集を読むのもまたオツなものだったなぁ。
生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり
(歌集の題名「プーさんの鼻」はこの短歌からきているのだろう)
弾みつけ腰をひねっておっとっと寝返りはまだうまくできない
上のように母として子供を優しく見つめる視線の温かさが伝わる短歌もあれば、みずみずしい恋心や、父や弟など家族への思いを謳ったものなどもある。でも、いちばんの魅力は言葉の響きの美しさ。
それにしても、歌集一冊通して読んだのは久しぶりだ。実は僕は古典文学、特に短歌を専門に勉強していたんだけど。今では年末ごとに年賀状の挨拶文考えるのに、つい古今和歌集開いて参考になる文句ないかなって探す程度になった。悲し。俵万智ってひと、僕の大学の先輩なんだよねぇ、よく考えたら。