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Live & Talk Event ジャック・ドゥミの思い出 (10月27日&28日)
東京国際映画祭 ジャック・ドゥミ没後15周年記念特集として、ライブ&トークショーつきのイベントにいくことができた。10月27日は、「シュエルブールの雨傘」上映前にギタリストの村治佳織さんと小沼純一さんのトーク(演奏はアコーディオンのブソレッティさん)、10月28日は、「ロシュフォールの恋人たち」上映前に仏文学者野崎歓さん(演奏はピアノ、笛木健治さん)。司会はどちらも映画祭事務局の矢田部さん。場所は渋谷文化村内のカフェ、ドゥー・マゴー。
村治さんは実は前からCDを聴いていた隠れファンだったので演奏を楽しみにしていたが、手の故障のためにトークのみになった。え、ちょっとがっかかり・・・と思ったら、早稲田大学助教授で音楽・映画・文学と幅広く評論活動をされている小沼さんのお話が予期せぬ面白さ。この方、初めて見るような・・・ジャック・ドゥミとドゥミの映画のためにミュージカルを作曲したミッシェル・ルグランについて楽しい話を聞かせてくれた。この方、とてもきさくそう。膨大な知識をお持ちに違いないのに、聴衆に優しく語りかけてくださる。あまりにふつ〜うの顔(失礼!)の方なので、街ですれちがっても知識人とは思えないだろう。著書「バカラック、ルグラン、ジョビン」、買ってしまいました。

仏文学の研究者で、小説の翻訳もすれば、文芸・映画評論まで手掛ける野崎歓さんの話もとても楽しかった。どちらかといえば、一日目より二日目の方が若い女性の聴衆が多く、金曜の夜だからというより野崎さんのファン?この人の話を聞きたくて集まったのかなぁ、それもありえると思うくらい話が興味深い。ドヌーヴに直接会ったときのことなど、ドゥミと仕事をした映画人たちについてのエピソードを聞けたのもありがたかった。

「シュエルブールの雨傘」と「ロシュフォールの恋人たち」たちだけど、僕はこの二つを中学3年生のときに池袋旧文芸座のミュージカル特集で2本立てで続けてみた。それ以来、実はこのイベントに来て初めて見直したんだけど、昔見た感じそのままだった。ハリウッドのミュージカルとひと味違うフランスのミュージカル。画面に色彩感に溢れ、独特のナイーブさがあって、繊細な情緒が漂っている。中学生の時に気がつかなかったことといえば、ロマンスもあれば残酷さがあり、底抜けの明るさもあれば、グロテスクなものもある。両極端のものが同居しているということかな。兵役のつらさ、特にアルジェリア戦争について両作品とも触れている。「ロシュフォールの恋人たち」ではカフェに出入りしている気のよさそうなおじいさんがバラバラ殺人事件の犯人だったりする。愛しあうことがテーマだけど、その愛も儚くて、ちょっとした偶然のいたずらで別の相手に気持ちが移ったりとか・・・

「シェルブールの雨傘」は1964年、「ロシュフォールの恋人たち」は1967年の製作。ふたつの間に、ゴダールは「気狂いピエロ」(1965)を撮っている。僕たち日本人がよく「フランスっぽい」といっている色彩感覚はここら辺の映画から来ているのかもしれない。「ロシュフォール〜」に出てくる大胆な衣装や鎧戸のある街の風景、水兵さんたちの恰好など、郷愁感を誘う懐かしさもあった。

結局、ドゥミの映画は、雑誌で映画評論をしていた資金のない若者たちが始めたヌーベル・ヴァーグの本流、そのゴダールやトリフォーたちの映画とはちょっと違うようだ。戦争の残酷さに言及しているけど、あからさまに権威に逆らったり、拳を振り上げて権力に抗議するということはない。むしろ“新感覚派”という言葉がぴったりするかも。逆に、そういう新鮮な感性に溢れているから、今にして思えばこれぞヌーベル・ヴァーグという気がするのかもしれない。
| 2005年10月の映画 | 10:18 | comments(3) | trackbacks(1) |
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コメント
jokigenさん、こんにちは!
「ロバと王女」でTBさせて頂きました。
「バカラック、ルグラン、ジョビン」、僕もこの本持っていました(友達に貸したまま・・・)。この組み合わせ、最高ですよね。著者の方の話を聞けて、うらやましい限りです。

ジャック・ドゥミ、僕は基本的に大衆映画作家なのでは、と思っています。僕はそこが好きです。
| Ken | 2005/11/18 1:02 AM |
「ロバと王女」、私も先日やっと見ました。よかったです。カトリーヌ・ドヌーヴがケーキつくる場面の歌が耳にこびりついてしまって、ついにサントラ買いました。これはドゥミとルグランの映画でもつい口ずさみたくなる歌です。
それと小沼さんの話、楽しいですよ。フランス映画の音楽の話をきいたあと、あの本を開いたら、いきなり「オースティン・パワーズ」のバカラックが歌うシーンのことを書いているので、これは買うしかないと思いました。話題の幅がとても広い方ですね。
| jokigen | 2005/11/19 1:00 AM |
jokigenさん、こんにちは!再びKenです。
僕もまさに、愛のケーキの歌が良くてこのサントラ買いました!これを期に自分の中でルグランがまた盛り上がってきてて、なんか色々買ってしまいそうです。ルグランって結構な量の作品残してるんですよね・・・。
| Ken | 2005/11/19 11:20 AM |
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【映画】ロバと王女(デジタルニューマスター版)
"Peau d'Âne" 1970年フランス監督)ジャック・ドゥミ出演)カトリーヌ・ドヌーヴ ジャン・マレー ジャック・ペラン デルフィーヌ・セイリグ音楽)ミシェル・ルグラン満足度)★★★★☆ (満点は★5つです)ル・シネマにて 美しい王妃を亡くした青の国の
| セルロイドの英雄 | 2005/11/17 11:39 PM |