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映画監督 豊田四郎特集「雪国」
トンネルを抜けると雪国だった、の出だしで知られる川端康成原作の小説『雪国』の映画化作品。実際に映画は列車がトンネルを抜けて、越後湯沢に着くところで始まる。今では苗場などリゾートの玄関口になっている越後湯沢だが、この映画「雪国」では貫禄ある古い日本家屋が立ちならぶ美しい温泉町としてでてくる。越後湯沢の芸者・駒子を演じるのが岸恵子。彼女と恋仲になる東京の画家が池部良。駒の妹・葉子を初々しい八千草薫、温泉宿の仲居を浪花千栄子、その主人を加東大助らが演じる。他に、浦辺 粂子、田中春男、そして森繁久彌も県会議員というチョイ役ででるなど、多彩で豪華な顔ぶれ。この「雪国」は豊田四郎監督による渾身の力作といえるかも。フィルムセンターはこの日、行列ができて満席だった。

昔の温泉旅館の雰囲気がいい。階段があったり、曲がりくねった廊下があったり。出会って間もない芸者見習いのような駒子に対して、島村が「芸者を呼んでくれ」というのは、「オレは女がほしいんだ」と言外に売春を匂わせての言葉だろう。そこで、勘平という田舎っぽい芸者(市原悦子)が呼ばれてやってくる。芸者は男客の膳の残り物は気にせず食べるけど、女の残した食べ物は決して口に入れないとか、なんとか、おしゃべりしつつ、ケラケラ高笑いしながら、この太った芸者は炬燵にあたる島村にすりすり擦り寄ってくる。このシーン、妙に印象に残った。

いい仲になった島村と駒子が一緒に湯に浸かろうといって手ぬぐいを持って風呂場にいく。脱衣場で服を脱ごうとすると、別の男が入ってくるので、ふたりは顔を見合わせて隣の風呂場に行く。すると、こっちにも別の女がいる。で、島村が「なんだ、こっちもか」というと、駒子が「この人、按摩さんよ」といって、着物をどんどん脱いでいく。按摩さんは盲目だから風呂場で何したって恥ずかしくない、ということか?う〜、なんかこの、なんというのかなぁ・・微妙に猥褻なところがいい、と思う。「浮雲」( 成瀬巳喜男監督)でもそうだったけど、昔の映画では温泉宿での混浴シーンが珍しくない。「雪雲」の岸恵子と池部良、「浮雲」の岡田茉莉子と森雅之、これぞ日本映画二大混浴シーン(ちなみにヌード一切ありません)。

とにかく、越後地方の雪景色が素晴らしい。日本家屋の並ぶ街の佇まいの素晴らしさ!いまなら、新幹線で東京からすぐいけちゃうところなんだけど。そして、流麗かつ精緻なところあり、また一方、官能的なところ(いいかれば猥褻な)もある川端文学の特徴は、この映画でうまく表現されていると思った。結局、登場人物が何考えているかよくわかず、刹那的な衝動に突き動かされているように見えるのも、川端文学的かも。それにしても、なんで「雪国」は中学や高校で推薦される小説なんでしょう?芸者と旦那の関係とか、ちっとも国語の先生は説明してくれないのに!
| 2005年7月の映画 | 22:24 | comments(3) | trackbacks(0) |
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コメント
はじめまして。川端康成の本のことで調べていたらこのブログに当たりました。彼の小説の中で、女性が男性に向かって言うんだったと思うんですが、右手を外しておいて行くわ。。。。みたいなのがあったと思うのですが、一体どの本だったんでしょう。。。もしご存知なら教えてください。気になって気になって。
| はじめまして | 2006/01/26 5:28 PM |
こちらこそはじめまして。川端の本で、そういう言葉がでてくるのって・・・はぁ、ちょっとわかりませんでした。いや、そんなに僕は川端のこと詳しくないですよ。なんか知ったかぶりしてる文章書いたかなって、やや反省。でも、ご質問のおかげで、ちょっと調べているうちに、もっと川端の小説読んでみよう、一度読んだのも読み返そうかな、なんて思えて、いい刺激になりました。すみません、役立たずで。
| jokigen | 2006/01/28 1:31 PM |
それは、「肩腕」です。
晩年の作品で、川端作品としては珍しく、幻想小説というジャンルになっています。
小松左京が「こんなにうまく書かれたら、我々SF作家ながら、怖くてなにもいえません」と評していました。
| 光 | 2007/09/10 9:54 PM |
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