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映画『運命を分けたザイル』
1時間分の酸素ボンベだけを渡されて宇宙にただひとり放り出されたら、どんな気がするだろう?って考えることがある。生きていられるのは1時間だけ。果てしない空間で銀河の美しさに圧倒されながら、その感動を語り合う相手もなく、孤独に死んでゆくなんて!「運命を分けたザイル」は雪山が舞台だけど、遭難した男の孤独感は、そんな宇宙空間にひとりさまようときのものと変わらない。しかも、氷点下以下の冷たい世界!

イギリスの登山家ジョー・シンプソンとサイモン・イェーツの二人が、1985年に未登頂だったシウラ・グランデへの登攀を試みたときの体験を映画化。落下事故で死の淵をさまよいながら奇跡的に生還したジョー・シンプソンは、後に自身の体験を文章化してノンフィクション本を出した。映画は、先のふたりの登山家とそのアシスタントだったリチャード・ホーキングの3人へのインタビュー、そして俳優による登攀の再現シーンの組み合わせで構成されていて、再現ドキュメンタリーの一種といえる。
インタビュー部分は、シンプソンとイェーツがジェスチュアを交えながら体験を語る様子が面白い。彼らはすでにいろんなところで語ったんだと思うけど、カメラの前で改めて登攀する仕草を再現することで、彼ら自身の脳裏に眠っていた感覚が呼び覚まされ、ふわっと意識の方へ上昇してくる感じが、映像からリアルに感じられる。ザイルをこんな風に結んでね、といって、その真似をするときの彼らの大きく見開かれた瞳によぎる影みたいなものが、すごい体験をしてきたんだなぁと、僕に実感させるのだった。

俳優によって再現されるシーンはもちろん凄い。本当に雪に覆われた絶壁で演技し、撮影しているんだから、迫力は充分すぎるほどだ。僕としては、山の峻厳さをもっと長回しでじっくり見せてほしい気もしてたけど。シンプソンが骨折した足を引きずりながらクレパスが縦横に走る斜面を下山して、岩の斜面を這いつくばりながら降りるところの、あの気の違った状態が強烈だ。幻聴のように好きでもないヒットソングが耳に鳴り響いてやまないとは!死の間際っていうのは、本当にあんな感じなのかもしれない。

この映画の製作者は、ふたりの登山家が事故後初めて一緒にシウラ・グランデを訪れたときの様子も撮影していた。でも、それは切り離して別のドキュメンタリー映画にしたらしい。2004年イギリスで公開された“Touching the Void: Return to Siula Grande”で、たった上映時間24分の作品らしいけど、きっと緊迫感のある光景が撮影できたのだろう。

週末に行ったら、いつも映画館でよく見かけるタイプとは違う人たちがいた。つまり、登山愛好者の方々。リュック背負って、今日も日帰りで登山してきましたよって感じのおじさんたちまでいた。山歩いて、映画見て、仕上げに仲間と一杯ですか。充実してますねぇ。
| 2005年2月の映画 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
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