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映画「フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白」
マクナマラ氏の口ぶりに魅了されたと白状しよう。ベトナム戦争時代にアメリカ合衆国国防長官だった人物。泥沼にはまった負け戦の状況が歴然だったのに、北ベトナムへ爆撃を続け、枯葉剤をジャングルに撒き散らした米軍の最高責任者。85歳になっても彼の目には、複雑な状況を瞬く間に分析する明晰な思考が瞬いている。

2003年発表のドキュメンタリー「フォッグ・オブ・ウォー」は、作品中でそうだと言及していないものの、明らかに9-11以後のアメリカの状況を意識している気がする。その点では「華氏911」と同じ問題点を共有しているが、作品の傾向は異なる。マクナマラが国防長官だった当時の資料映像とインタビュー映像を組み合わせて、エロール・モリス監督は、あくまで元国防長官が戦争の責任をどう思っているか、本人への問いかけにすべてをかける。

1916年生まれのロバート・S・マクナマラは、若くして経営学の助教授になり、第二次世界大戦では持ち前の数値分析力を買われて日本爆撃計画に参画し、戦後はフォードの社長になるも、ケネディ元大統領に見込まれて、国防長官の任につく。ケネディが暗殺された後も、ジョンソン大統領の下で軍部の最高責任者としてベトナム戦争を継続し、戦況がおもわしくない中でついに解任される。以後は、世界銀行総裁になって発展途上国への援助に尽力しながら、現在も現役として働いている。
魅了されたというのは、彼の「誠実さ」というよりも、社会的な役割への「忠実さ」といえるかもしれない。冷静な彼は、日本への爆撃計画の立案についても、もし戦争に負けていたら戦争犯罪人になっていたかもしれない、と告白している。多くのベトナム民衆とアメリカの若者たちを死なせたことに関しても、彼は怜悧な姿勢で状況を分析し、教訓を引き出そうとする。ただし、個人的な心情を吐露することなく、あくまで公的な立場から発言するだけだ。国防長官だった当時は、世界でアメリカ大統領の威信を保つには何をすべきか、ということを懸命に考え続けていたのだろう。

Lesson1からLesson11まで、マクナマラが生涯で学んだ11の教訓を時間経過と共に字幕で見せながら、インタビューが進行していくところが面白い。言葉に表われない表情の微妙な変化に、彼の奥底の心理をあぶりだそうとする、スリリングな迫り方で興味が尽きない。
■哲学的な教訓 Lesson#2 理性にはたよれない Lesson#3 自己を超えた何かのために Lesson #9 人は善をなさとして悪をなす Lesson#11 人間の本質は変えられない
■処世訓的な教訓 Lesson#1 敵のみになって考えよ Lesson#4 効率を最大限に高めよ Lesson#5 戦争には目的と手段の“釣り合い”が必要だ Lesson#6 データを集めよ Lesson#9 目に見えた事実が正しいとは限らない Lesson#11 理由づけを再検討せよ Lesson#10 “決して”とは決して言うな
これらの教訓を読むだけで、彼が矛盾を抱えた人物であることが感じられると思う。
| 2004年9月の映画 | 00:50 | comments(0) | trackbacks(2) |
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映画: フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白
邦題: 原題:THE FOG OF WAR: ELEVEN LESSONS FR
| Pocket Warmer | 2004/09/30 1:45 AM |
フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白:映画
今回紹介する映画は、第76回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞・第29回ロサンゼルス批評家協会賞ドキュメンタリー映画賞受賞・第86回ナショナル・ボード・オブ・レヴュードキュメンタリー映画賞受賞した作品の『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官
| 映画、札幌グルメ情報はジフルブログ | 2008/02/28 12:20 AM |