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映画「バレエ・カンパニー」
シカゴを拠点にするバレエ・カンパニーに関わる人々を描く。フィクション映画でありながら、ドキュメンタリーを見るような趣もある。それは、実在する“ジョフリー・バレエ”の団員たちに出演してもらい、彼らの日常をカメラで捉えるという撮影方法によるのだが、一方で主な役柄では俳優を起用して、華やかな外観とは窺い知れない彼らの人間臭さやプライベートな生活、心の内奥までも演技によって描写している。現実とフィクションをないまぜにしたロバート・アルトマン監督による群像劇だ。

まずトップの芸術監督が君臨し統率する姿勢、振付家が自身の意図をダンサーたちに伝えようと懸命になる様子、またスタッフがあるダンサーの待遇について議論する事務的な光景、そしてダンサーたちが稽古に励む風景など、バレエ・カンパニーという場所で起こる日常を、巧みに物語の流れの中で垣間見せる構成が面白い。
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| 2004年7月の映画 | 00:51 | comments(2) | trackbacks(1) |
映画「キング・アーサー」
弱きを助け強きを挫かんとする主人公アーサー、人種間の分かりやすい対立の構図、ブリテンを乗っ取ろうとするサクソン人の悪逆非道ぶりを見せるなど、いかにもアメリカ映画らしい。アーサー王の伝説の映画化で、史実に基づいてストーリーを練り直したっていうけど、伝説から登場人物の名前を借りているだけのようでもある。“聖杯伝説”や“円卓の騎士”といった中世の物語の雰囲気を予想して見たら、だいぶ趣きが違っていた。アーサーとグイネヴィアとラーンスロットとの間に三角関係にあるのかな?とほんのわずかに想起させるシーンがあるから、当初の脚本は伝説に近くて、映画を製作しているうちにスペクタクル優先の作品に仕上がったのかもしれない。女優キーラ・ナイトレイに凛とした美しさがあって、ちょっとロマンティックな雰囲気も漂っている。
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| 2004年7月の映画 | 01:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
アンゲロプロスが素顔を見せた2つの映像
ギリシャを代表する映画監督テオ・アンゲロプロスの素顔が窺える映像を、最近ふたつ見た。

ひとつは、2週間ほど以前に東京国際フォーラムで行われたテオ・アゲロプロス映画祭での上映ドキュメンタリー「Theo on Theo」。日本の作家・池澤夏樹がアンゲロプロスにインタビューする。このギリシャの巨匠監督が渾身を傾けてつくりあげた各作品について、池澤夏樹が質問を投げかけ、一問一答でアンゲロプロスが答える。「こうのとり、たちずさんで」の川を挟んで結婚式を行う場面では、川の水量が足りないので下流にダムを造った、というような裏話もでてきて、興味深かった。アテネ市内にあるらしいアゲロプロスの事務所の雰囲気も伝わってくる。

もうひとつは、テレビ朝日が製作した番組「輝きのギリシャ紀行」(7月25日放送)。オリンピックをあとひと月先に控えたギリシャについての紀行番組で、日本の女優・岸恵子がアンゲロプロスと対談する。単なる観光紹介の付け足しかと思いきや、これも池澤夏樹のインタビューに見劣りしないくらい興味深かった。場所は監督の自宅(?)アンゲロプロスはワイングラスを片手にくつろいだ表情で、彼のプライベートな部分、たとえば自分の家族について語っている。

どちらも会話はフランス語。外国語のせいもあるだろうが、一語一語慎重に言葉を選びながら、静かに、また真摯に語るアンゲロプロスの姿が印象的だった。
| 2004年7月の映画 | 18:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画 「69 シクスティナイン」
村上龍原作の元気のいい映画。妻夫木聡、太田莉菜らが高校生らしい爽やかさを発散している。(安藤政信が高校生を演じているのは無理があったようだが・・) 1969年の佐世保を舞台にして、米軍基地の金網の前を疾走する場面など、けっこういい絵を撮っているとも思う。
もともと日本の60年代をノスタルジックに振り返る内容なので、当時の世相を反映している部分(平凡パンチ、11pm、学生運動、ゴダール)が少々ステレオタイプなのは致し方ないのかもしれない。むしろ、妻夫木聡に代表される21世紀日本の伸び盛りな若手俳優たちがこういう役柄を演じて、同世代の観客たちが映画館にやってくること自体がちょっと面白い現象だと感じた。けっこう時代の流れがレトロな方に傾いているのかな。いや、僕自身にしても、太田莉菜のセーラー服姿を目にして、往時の青春を思い出していたのだった。
| 2004年7月の映画 | 00:56 | comments(2) | trackbacks(0) |
映画「家族のかたち」
わりと画一的な家並みが続く、いかにもイギリスの田舎にありそうな街、ミッドランド。そこに子持ち女性とそのボーイフレンドが暮らしている。近所には、前夫の姉家族も暮らしていて、互いに仲良く出入りし合っている。そこへ前夫が戻ってくることで騒動が持ち上がる。一家がテレビのある居間のソファーや寝室のベッドにかたまってくつろいでいたり、一緒に昼寝をしているシーンが実にほのぼのしていた。こういうシーンはありそうで、なかなかなかない気がする。 リス・エヴァンス、ロバート・カーライル、娘役のフィン・アトキンスら、俳優陣が持ち味を出している。ボーイフレドと前夫の間で心が揺れ動く女性(シャーリー・ヘンダーソン)が可憐だった。
| 2004年7月の映画 | 19:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画「イザベル・アジャーニの惑い」
19世紀のフランス小説を下敷きに、主演女優イザベル・アジャーニ自身が企画し、ブノワ・ジャコが監督した作品。

伯爵の愛人として郊外の屋敷に暮らすイザベル・アジャーニに、スタニスラス・メラール扮する年下の若い男が恋を仕掛ける。女が陥落して自分を強く愛するようになると、逆に男は距離を置いて女を遠ざける。女が祖国ポーランドへ帰ることになると、再び恋慕に駆られて女と一緒にポーランドまで行ってしまう...

なんとも見ているのがつらい映画だった。男女の愛から生まれる喜びや焦燥感を描きだそう、ということなのかなと想像したけれども...アジャーニが流す大粒の涙を見ても、メラールのいらだたしげな表情を見ても、何も感じることができなかったのは残念。

イザベル・アジャーニの年齢は知らないが、この本作品サイトに「青年アドルフは、20歳も年上の美貌の伯爵夫人エレノールに一目ぼれし、彼女を誘惑したいと思った。」(“夫人”は間違い、“愛人”とすべきでは?)という説明文があるところを見ると、実際に相当の年齢なのかもしれない。古風な女性を演じる彼女は美しい。とはいえ、「私はこんなにまだ美貌を保っているのよ」と言いたげ。相手役のメラールも含めて、この作品の登場人物たちはみなナルシストのように思えてしまった。(アジャーニはポーランドの下級貴族(?)出身の女という役柄だが、むしろメラールの方が東欧的な顔つきだった。)
| 2004年7月の映画 | 16:18 | comments(1) | trackbacks(0) |
映画「ヴェロニカ・ゲリン」
映画「ヴェロニカ・ゲリン」について、遅ればせの感想。

颯爽と赤い車に乗って元気一杯に取材に飛び回るケイト・ブランシェットが魅力的。麻薬を売るマフィアの脅しにもめげずに頑張る女性ジャーナリストを上手く演じていた。家族に対する気遣いや独特のユーモアが、彼女のさりげない表情から溢れ出る。

舞台がアメリカだったら、政府の要人やCIAまで巻き込んでの一大スキャンダルを描くところ。そうでなくては、劇場公開映画になりえないと思うが、そこはアイルランド。市井の人々とケチなヤクザやチンピラとの争いを描いても、ちゃんとヒューマンな映画になりえている。ここらは、逆にこの国の治安のよさを表しているのでは?と、アイルランドびいきの僕としては思ってしまった。

悲しい実話を基にしていてほろりと涙もこぼれる。これを見て特に大きな発見があったわけでないが、爽やかな印象を残す作品だったことは明記しておこう。
| 2004年7月の映画 | 17:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
天秤棒を担いで歩く大統領 〜 「午後の五時」(その2)
サミラ・マフマルバフ監督の『午後の五時』は、『裁かるるジャンヌ』や『2001年宇宙の旅』にも匹敵する名作だ、と友人に吹聴したら、嘘つき〜!と言われた。嘘じゃないぞ〜!!だから、再び見に行った。

前半、荒廃したカブールの上に太陽が燦燦と輝いてる。女たちは日傘で陽射しを遮り、ブルカで人目を忍ぶ。錯綜する街並み。光と陰の世界。
映画は後半に至ると、砂漠へ迷い込む。灰色の天穹、冬の凍てついた大地が広がる。老人は馬へ、大地へ、神に向かって嘆き言を繰り返すが、すべては沈黙している。ただ、馬車の車輪がきしみながら回り続ける。頭上を銀色の爆撃機が通り過ぎる...
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| 2004年7月の映画 | 23:45 | comments(0) | trackbacks(2) |
映画「ハナのアフガンノート」
「今、あなたに未来が開かれてるの。こんな素晴らしいチャンスを逃すなんて、あとで後悔しても知らないわよ!」
サミラは一人のアフガン女性を車に引き込み、映画出演を承諾してもらおうと、必死にまくしたてる。傍らにいた父親モフセンまでが口を挟み、「今、君に話しかけている女性は世界中の新聞で紹介された有名な芸術家なんだぞ!」と脅す。イスラム圏の人々の交渉では声を張上げることが必須のようだ。口角泡を飛ばすとはこのこと。そんな会話を妹のハナが撮影している。なんという家族・・・と絶句。

「ハナのアフガンノート」は、イラン人女性監督サミラ・マフバルバフが「午後の五時」製作のためにキャスティングする過程を、サミラの妹ハナのビデオカメラによって捉えたメイキング・フィルムだ。監督サミラは、街の住民でこれぞと思う人々に話しかけ、出演交渉を行う。「午後の五時」に出演する俳優たちの大半は、現地で生活する住民たち。演技の訓練を積んでいない素人たちを起用するからには、その選び出しと出演交渉が大きな仕事になってくる。ビデオカメラを携えて大人たちの間に割り込み、好奇心いっぱいの少女の視線で、キャスティングの情景を捉えたハナ(当時13歳)の映像は、すこぶる面白い。イスラム圏の人々に独特の喧嘩腰の話し合いと、女性監督サミラの押しの強い性格がよくあぶりだされている。

この作品はハナが2ヶ月間、総計760時間に及んで撮影した映像を、他のスタッフの協力を得て73分に編集されたものだそうだ。主に4つの件によって構成。1)義父役の老人探し 2)ヒロイン役の女性候補の一人目と交渉して失敗 3)ヒロイン役二人目と交渉し、決別寸前で成功 4)病気の赤ん坊探し

サミラが最初に交渉する女性は、まだ若く独身で、清楚で知的な雰囲気を漂わせているが、映画出演という特殊な事態が怖くて首を縦にふらない。一方、二人目の候補の女性は、すでに母親で、若々しさがなく、美人タイプでもない。しかし、その自信に満ちた口調、そしてハナが思わずズームアップしてクローズアップで見せたように、目に力が漲っている。最初は不安そうなサミラも、とうとう彼女に腹を決める。そういった過程がよく映像に捉えられていて感心させられた。
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| 2004年7月の映画 | 00:09 | comments(0) | trackbacks(3) |
映画「ベジャール、バレエ、リュミエール」
スイスのローザンヌを拠点にするモーリス・ベジャール・バレエ団が、新作バレエ「リュミエール」の公演に向けてリハーサルを繰り返す過程をカメラで捉えたドキュメンタリー作品。

興味が湧くのは、やはり振付シーン。鏡張りのスタジオで振付家ベジャールが、女性アンサンブルに群舞を、ある男性ダンサー(ジル・ロマン)にソロを振付ける。ダイナミックな動きよりも、一瞬だけ見せる小さな仕草の方に神経を配っているところが興味深い。振付家のイメージは、ダンサーの肉体を相手にして、徐々に具現化されるようだ。使用される音楽がシャンソンというのも面白いと思った。あまりダンス向きでない音楽のように思えるのだが、パントマイム的な動きを交えて、独特の世界を舞台に創造しようとしている。
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| 2004年7月の映画 | 17:24 | comments(0) | trackbacks(1) |
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