CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
映画「あの夏、いちばん静かな海』/『Brother』
渋谷シネマヴェーラの「北野武/ビートたけしレトロスペクティブ」で見た対照的な二つの作品。一方はどちらも真木蔵人をメイン俳優として起用している。ずっと感想書いていなかったので、追加でとりあえず書き残しておこう。

「あの夏、いちばん静かな海」
1991年製作/脚本・監督:北野武/出演:真木蔵人、大島弘子,河原さぶ,藤原稔三,寺島 進,他。

海、海、海。単調な並みのリズムが時を刻む。主役のカップルが聴覚障害者という設定。でも、その点よりも要するにこれはサーファーの映画。
この作品がすきかどうかで、北野武の作風に対する好みがが現れるかもしれない。センチメンタルといえば、これほどセンチメンタルな映画は存在しないかも。しかし、僕にとっては、もっとも愛すべき北野武の映画でもある。どこのシーンがいいとか、あの演出がいいとか、いまさら言ってもという気がするので、やめておこう。ただ、サーファーのように飽きることなく海を見て、波と戯れる、そのように「あの夏、いちばん静かな海」を見て、最後に青い海を背景にタイトルが大きく映し出される瞬間、いつも泣けてくるのだった。まあ、数日おきに映画館に通って映像の世界に心を遊ばせるのも、毎週末に海に行って波乗りをするのも、そんなに変わらないないんじゃない?て言ったら、サーファーから叱られるかな。
続きを読む >>
| 北野武/ビートたけし レトロスペクティブ | 00:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画『キッズ・リターン』
キッズ・リターン 脚本・編集・監督:北野武/出演:金子賢,安藤政信,森本レオ,丘みつ子,石橋凌,寺島進,山谷初男,大杉漣,モロ師岡,他。

人が、立ち止まり、また、走りだす瞬間を描いた映画。人には、止まっている時間があり、走っている時間がある。走っては立ち止まり、止まっては走り出す。金子賢や安藤政信が陸橋の上を走り抜ける場面では、何の変哲もない都会の風景が左から右に流れていくのをカメラが捉える。ただそれだけ。それだけなのに、若い彼らの呼吸と心臓の鼓動のリズムが画面から伝わってくる。人生で過ぎ去って戻ることのない時間のいとおしさが感じられる。

主人公ふたりが校庭で自転車に乗るシーンはあまりにも有名。「あいつら・・・」といいながら二人を見守っている先生(森本レオ)の存在が控えめながらもここでは重要だと思う。まず窓辺の席に座る生徒が授業中にぼぉっと校庭を見ている。それを注意する先生が校庭に視線を向ける。すると金子賢と安藤政信が自転車で二人乗りする姿が映る。冒頭と終盤に出てくるシーン。何度見ても、一連のカットのリズムは見事だと感じる。中年の教師が「あいつら」という若い二人は、ほんとうは誰の心の中にも生きている青年の姿なんだろうと思う。

「キッズ・リターン」では、”北野ブルー”と誰かが呼んだらしい青みは画面に現れず、むしろ渋い灰色がかった色調が目立つ。でも、安藤政信のボクシングパンツがいつも青かったから、やっぱり北野武は青が好きなんだ。
| 北野武/ビートたけし レトロスペクティブ | 00:14 | comments(2) | trackbacks(1) |
映画『菊次郎の夏』
菊次郎の夏1999年に北野武が作った作品。祖母とふたりだけで都会の下町に暮らす小学生の少年が、愛知県・豊橋に別居している母親に会いたくなって、夏休みに旅立つ話。主人公の少年の名前が正男。でも、タイトルが「正男の夏」ではなくて、「菊次郎の夏」。菊次郎は祖母の知り合いの夫でヤクザもの。妻の命令で正男に付き添って旅に出るが、競輪場や焼鳥屋など、寄り道ばかりしている。このロードムービーでは、正男も菊次郎もともに少年の心になっている。

僕はとても美しい映画だと思う。この作品を美しいというと多少の照れが生じる。でも、北野武の映画が好きだ、と他人にいうと必ずつきまとう照れなので仕方ない。なんでこんなエピソードがあるんだろう?とか、岸本加世子の演技がくさいんだけどとか、いろいろ思ってしまうけど、僕にはそんな欠点も美徳に思えてしまう。たけしの映画はいつも未完成交響曲のように美しいのだ。

この映画に出てくる菊次郎は、たけし軍団を率いていたときのコメディアンとしてビートたけしのイメージに近い。公開当初に観たときは、ラストの“だるまさんころんだ”で、たけしが歌舞伎役者の恰好ででてくる場面が好きだった。照れを気にせずいえば、詩を感じる映画。

前半で正男に悪戯をしようとする猥褻な中年男を登場させたり、菊次郎とダンプの運転手の殴り合い、祭りのトラブルでチンピラたちに菊次郎がこてんぱんに殴られるシーンがあるなど、やはり唐突なバイオレンスはこの映画にもでてくる。ロードムービー特有のあてのなさ、無意味な時間、エアポケットに入り込んでしまったような虚脱感、そして子供っぽい悪戯心。

今風の名画座復活を唱えて登場した渋谷シネマヴェーラはこの日も空いていた。おいみんな、なんでもっと北野武の映画を見に来ないんだ?

菊次郎の夏 脚本・編集・監督:北野武/出演:ビートたけし、関口雄介、岸本加世子、吉行和子、麿赤兒、細川ふみえ、グレート義太夫、井手らっきょ、ザ・コンボイ、ビートきよし、他
| 北野武/ビートたけし レトロスペクティブ | 14:19 | comments(0) | trackbacks(2) |
映画『3-4x10月』
“3-4x10月"は以前ビデオで見たことがあるが何と読んでいいのかいまだに知らない。渋谷シネマヴェーラ切符売り場では「次の北野武の映画チケット1枚」といった。

『3-4x10月』(1990年) 脚本・監督:北野武/出演:小野昌彦(柳ユーレイ)/石田ゆり子/ガダルカナル・タカ/ダンカン/ビートたけし/渡嘉敷勝男/ベンガル、他


いかにもモテなさそうな主人公(小野昌彦)が初対面の女の子(石田ゆり)に喫茶店でデートを申し込んで成功するシーン。ちょっとした波乱を期待していた観客に肩透かしを食わせる。これもタケシ流ギャクなのだと思って見続けていると、主人公と女の子が乗用車の後ろから並んで押しているシーンに繋がる。広がる青空とエンジントラブルを起こした乗用車。二人はまったく無言で、エッコラ、エッコラと車を押している。 後に「キタノ・ブルー」と言われる意図的な青の使用がここから始まっているのかもしれない。この1ショットで若者たちの汗ばむ肌のぬくもりが即座に伝わってくることを、僕はすごいと感じる。北野武の映画では、肌の感触は大事な位置を占めているように思う。また、ヤクザ役北野の顔のトカゲを思わせる肌と機関銃はよく似合う。見せかけとは違う崇高な映像美はこのような皮膚を通して伝わってくる感性の世界にあると思う。
| 北野武/ビートたけし レトロスペクティブ | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画「バトル・ロワイヤル」
映画「バトル・ロワイヤル」監督;深作欣二/出演:藤原竜也、前田亜季、柴崎コウ、山本太郎、安藤政信、ビートたけし、他。
2000年に公開されたとき、残酷シーンのせいでに指定されたことが話題になっていた。特に興味はなかったけど、北野武の特集のプログラムに入っていたので、まあつまらなかったら途中で出ればいいさ、というつもりで鑑賞。残酷といえば残酷ともいえ、しかし、見終わってみればどうってことない。特定のシーンだけ取り上げて教育的に好ましいかどうか議論すること自体が映画そのものとかけ離れているとだけはいえるだろう。
それはともかく、「バトル・ロワイヤル」を見ながら、読んでないけど原作のアイデアは評価できるのではと思った。中学三年生のあるクラス生徒全員を無人島に連れて行って、互いに殺しあうサバイバルゲーム。映画はそれのコミックっぽい映像化。中学生たちに殺し合いゲームのルールを説明するアニメキャラクターのような声のお姉さんの話し方が面白かった。また先生役のビートたけしが妙に存在感を放っている(といっても、これまでの北野映画のキャラをそのまま借用しているだけだが)。本来の主役である中学生たちの心の中は映画でまったくわからない。妙にセンチメンタルな台詞のやりとりだけで終わらせていて、ちょっと馬鹿馬鹿しくなったけど、一応最後まで見られたのは、それなりにエンタイティメントになっていたから。この深作欣二の娯楽映画にあるような低俗さ、卑俗さは北野映画とも共通点がある。言ってみればそんな低俗さが奇跡のように崇高な輝きを帯びてしまったのが、初期頃の北野映画だったのでは。。。な〜んて僕なんかは思っている。
| 北野武/ビートたけし レトロスペクティブ | 23:13 | comments(2) | trackbacks(0) |
| 1/1PAGES |