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映画『ある子供』
病院で出産したばかりのソニアがアパートに帰ってくると、見知らぬカップルが部屋を借りて住んでいる。貸したのはソニアのボーイフレンドで赤ん坊の父親ブリュノ。ソニアは街中でブリュノを見つけて、そのことをいうと、金のために友人に貸したと、ブリュノは悪びれる風もない。その晩はホームレスの収容所のようなところに泊まるが、ブリュノのいい加減ぶりは留まることを知らず、ついにソニアに黙ってジミーを闇組織に売ってしまう・・・

まずソニアとブリュノが天真爛漫に戯れあう光景を捉えた手持ちのカメラの映像に惹かれた。この若い男女の俳優が向き合うシーンは、作品を通じて実に自然で、しかも緊張感があり、とても美しかった。ベルギーでつくられた映画『ある子供』は、とってもミニマムな素材で作られた映画。手の込んだCG(「キング・コング」のCG、いいんですよ〜)もいいが、元来は僕はこういうタイプの作品が好きだ。

監督・脚本のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌは、2002年の『息子のまなざし』でも、抑制された演出で緊張感のある人間関係を描きだしている。そういえば、「ある子供」も、「息子のまなざし」も冬。もっと前の「ロゼッタ」でも、ヒロインがブリュノのように安っぽいフリースを着ていたような・・寒い、寂しい。でも、どこかに救いがあるような・・・ブリュノは元来悪い性格じゃないらしく、自分の子供ジミーもどこかの金持ちが養子にしてくれると思っている。それにしても、「子供はまたつくればいいよ」はないだろう!

この話が夏に起こる物語だったら、別の方向に展開していたかも、なんて思う。生まれたばかりの赤ん坊ジミーは厚い服にくるまれていた。夏だったら、赤ちゃんも薄着でもっと自由に手足を動かしたかも?そしたら、ブリュノも思わず抱きしめただろうに。彼にとって、赤ん坊は“他人”でしかなかった。一方、ひったくり共犯の少年とはバイクで二人乗りして逃げる間に体を触れ合い、川に隠れたときは優しく介抱しスキンシップを重ねている。弟をいたわるような愛情を抱き、最後には義侠心までみせるブリュノ。体が触れ合うことで心の絆が生まれる。ブリュノって、とても単純なやつだったんだな。
| 2005年12月の映画 | 18:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画「SAYURI」
原作"Memoirs of a Geisha"について調べてみると、わりと評判がいい小説のよう。1930年代の日本の芸者を主人公にした小説を一人称の語り口で書いたのはアーサー・ゴールデンという現代のアメリカ人男性である作家。最初は三人称で書いたのを、年もかけて書き直しを重ねて、何時の間にか一人称になったのだとか。う〜ん、この原作は読んでないけど、映画の「SAYURI」に関する限りでいえば、まったく興味がわかない物語だった。この映画を見てしまったことにかなり悔いが残る。要はチェン・ツィイーの着物姿が見たくて映画館に来てしまったんだけど。日本人がこの映画をみると、どうしても外国人の日本に対して抱く“エキズティズム”が画面に溢れているのを感じないわけにいかない。
チャン・ツィイーは今や国際的なアジア女優だから、別に英語話して日本の芸者演じててもいいと思うし、渡辺謙だってカッコイイ。役所広司の役はちょっと好かないだけ、桃井かおりも頑張っている。でも、なんか映画として魅力が感じられないんだよなぁ。その理由をうまく説明できない自分が歯がゆい!「シカゴ」のロブ・マーシャルが監督したんなら、いっそ原作を離れてミュージカル映画にでもしてほしかったなぁ、なんて思ったりして。

チャン・ツィイーは「LOVERS」のときのほうが魅力的な肢体が発揮されていたような気がする。舞台の花道でみせる踊りは、坂東玉三郎の「白鷺」にインスパイアされたような感じだったけど、誰が振付けたんですかね。ひとつひとつは確かに日本の花柳界にありそうな断片に違いないだけど、それが全体としてみたときには、外国の都市で見かける、いわゆる“日本式庭園”のような人工的な印象があって困ってしまったのだった。
| 2005年12月の映画 | 09:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
2005年版『キング・コング』は傑作!
ニューヨークのブロンクス動物園のゴリラ君あの怪優ジャック・ブラックとナオミ・ワッツの取り合わせといだけで興奮して、封切り公開日に朝早く銀座に出て見に行った。予想以上になんと楽しい!3時間という上映時間はまったく苦にならなかった。

「キング・コング」はなにより冒険映画。投資家に見放された二流映画監督を演じるジャック・ブラックには、冒険を好む野心家の表情の裏に時々いたずら好きの子供っぽい表情が見え隠れする。そして、プライドはあっても成功せず落ちぶれかけた女優(ナオミ・ワッツ)、いかにもひ弱そうな脚本家(エイドリアン・ブロディ)。不況のあおりを受けて負け犬になりかけた3人がそれぞれの思いで、映画ロケのためにヴェンチャー号で髑髏島(スクール・アイランド)に向かう。この撮影隊が髑髏島でついに発見する未開人と恐竜とキング・コング。CGによって作られた巨大な生物たちがスクリーン上でリアルに動き回った。もちろん、こんなもんいるわけがないんだが、子供のころから恐竜好きの僕には、実に楽しくワクワクさせてくれる世界だった。

キング・コングがニューヨークに見せ物のために連れてこられる後半では、30年代のNYの町並みを再現したセットが素晴らしい。そして、エンパイア・ステート・ビルに登ったキング・コングを上空の飛行機から捉える映像の迫力には目を瞠った。暴れまくるキング・コングが何を象徴しているか?なんて理屈っぽいことを考えるのは野暮というもの。暴れて、暴れて、それでいて、美女(ナオミ・ワッツ)にみとれてしまう姿がいじらしいのだ。こういう展開の物語ではつい現代文明への皮肉や批評をつい差し挟みたくなるもの。だけど、監督ピーター・ジャクソンは、“美女”と“野獣”という、絶望しながら大都会で生きるふたつの孤独な“魂”が、摩天楼のてっぺんで向かいあう美しい瞬間を映画のクライマックスに描いた。

有楽町マリオンで僕が見たとき、封切り公開日にもかかわらず空席が目立ったのは残念。最高のエンタイティメントなのに。金をかけてCGでつくったわざとらしい映画などといわず、ぜひぜひ多くの人に見て楽しんでほしい。(写真はニューヨークのブロンクス動物園のゴリラ君
| 2005年12月の映画 | 09:16 | comments(4) | trackbacks(2) |
映画『網走番外地』
網走番外地網走番外地 監督:石井輝男/出演:高倉健、田中邦衛、嵐勘寛寿郎、南原宏治、丹波哲郎、他
雪、雪、雪。うぅぅ、見てて寒くなってきた。そんな網走の雪原が果てしなく続く風景に包まれた網走刑務所は、男臭さでむせかえるようだ。ほんとに男臭い。やっぱり美女が出てこなくちゃって思うわけだが、しかし、この女っ気がほとんどない映画「網走番外地」は、高倉健があまりにかっこよくて引き込まれちゃうんだよなぁ。これ以降の「網走番外地」シリーズの主要な要素がやはりこの作品でだされている(美女以外は)。「カーテンコール」で藤井隆も唄っていた「そのなもあばしり、ばんがいちぃぃ」が渋い健さんの声で冒頭に唄われる。

服役者同士の喧嘩がきっかけで懲罰房に入れられた高倉健が、眉間に皺を寄せて堪える表情がいやぁニヒルだなぁ。入所するきっかけになる場面としてでてくる日本刀で高倉健がヤクザ事務所に切り込むシーンの見せ方がうまい。障子を開けて仁義を切ったと思ったら、日本刀を振り回す。やや陳腐だなぁと思ったのは母親が再婚する顛末。義理の父と仲違いしたあと麦わら帽子をかぶって家を出て行くあたりの回想シーンはちょっと奇妙な感がした。とにかく田中邦衛や嵐勘寛寿郎、丹波哲郎など、脇役の魅力も発揮されていて、とても楽しい映画であることには違いない。

トロッコ列車を使った逃亡と追跡シーンも、煙を上げて走っていく機関車の映像といい、お金かけずによくここまでスリリングに仕上げたものよ、と石井監督の手腕に感心してしまうのだった。
| 2005年12月の映画 | 23:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
北野武映画にビートたけしが主演する「Takeshis'」
沖縄風の家の座敷でたけしが若い女と花札している。いかにも作り物のセット。蝉の声が鳴り響くと、突然、たけしはうるせぇぞ!と怒鳴って、暑苦しい空気が引き裂くように、蝉のいる樹木に銃口を向けて乱射したあとに、湧き起こる暴力を押さえきれずに若い女まで撃ち殺し、その銃を自分の頭に向けて・・・映画「Takeshis'」のなかでビートたけしがTV局のスタジオでドラマを収録している劇中劇の場面。「ソナチネ」ほかの映画を思わせる。ある意味でパターン化された北野武の世界。彼は自分のお得意パターンをパロディっているのだけど、僕はこういう北野映画が好きだ。

「Takeshis'」では武がたけし(たけしが武)を自己分析しているようにも思える。うん?自己分析!?これほど北野武に合わないものもない。わざとらしい反復にみられる夢の特徴を分析する材料としての映像が幾たびも繰り返される。さあ、これがオレの夢だと見せびらかしているように見えるのには、正直言って閉口した。この人にはもっと動物的な感性で映画を撮ってほしいのだが。なにか周囲の圧力に対抗したいために、自分を嗜虐的に描いて、分析しているという印象も受ける。

この人、コメディアン・ビートたけしと映画監督北野武の実像の隔たりを常に自身で意識しながら生きていくように運命づけられているのだろう。他人からあこれ批評され、「内面に潜むサド傾向から少女趣味まで」持っている(と茂木大輔さんが書いていた)といった分析をされると、本人もそれにつられて自分の夢分析などをしたくなるものなのかな?たとえば、闇夜の草原でやくざとビートたけしと京野ことみが銃撃戦していると、彼らの放つ光が夜空に上がって星座に変わる・・といったあたり。ヴァイオレンスとメルヘンをごたまぜにするのがオレの持ち味だぜと、たけしがニンマリとわざとらしく見せているようで閉口した。また、いつもならある乾いた笑いもでてこなかった。

とはいえ、この人の映画独特の詩情に対する愛着は僕の中で消えることはなかった。流木に京野ことみと北野武が並んですわっている沖縄の浜辺のシーンに漂う詩情。このとき京野ことみが転がってきたサッカーボールで新体操を見せる(本人じゃないよね?)一連の動きは、だれもがダサイ!というかもしれないが僕は好きだ。そもそも赤いポルシェ!は決してオシャレじゃない。でも、ポルシェの運転席から出てきた北野武が銃を撃ちまくるシーンに打撃系ダンスをみるような迫力を感じる。そして、デブの松村邦洋が相撲の恰好で機動隊の盾をもってどすこい!どすこい!と進むと、彼が機動隊が撃った弾丸に背中から貫かれて盾が真っ赤な血が飛び散る瞬間!ああ、なんと美しいことか。

この映画でいちばん気に入らないところは?岸本加世子や大滝漣、渡辺哲、美輪明宏らのセリフ回しがかなりわざとらしい・・ということか。でも、しかし、しかし、しかし、・・・僕は北野映画を愛す。
| 2005年12月の映画 | 00:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画「Mr.& Mrs.スミス」
映画「Mr.& Mrs.スミス」/監督: ダグ・リーマン/出演: ブラッド・ピット 、 アンジェリーナ・ジョリー

鑑賞後に売店でファイルフォルダーを買ってしまった。ポスターと同じデザインの、主役二人が黒い服で立っている絵柄。ただ僕の視線はひたすらアンジェリーナ・ジョリーの長くてしなやかな脚に向かっていたわけだが・・・

ふたりが互いに相手が“敵対組織”の人間じゃないかと感づいて、そうだと気付くまでの場面は、最近のアメリカ映画らしくて面白かった。豪華で広い食卓で肉やパンを切る包丁を手に持って観察しあう夫婦。そして、ワインボトルが落ちた瞬間・・・

派手な撃ち合いやカーチェイス、機関銃やバズーカ砲並みの最新兵器まで出てくる。カッコいい美男・美女の夫婦間の駆け引きや愛情も織り交ぜて、見応えのある作品になっていると思う。
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| 2005年12月の映画 | 00:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
「ドア・イン・ザ・フロア」
映画「ドア・イン・ザ・フロア」原作:ジョン・アーヴィング/出演:キム・ベイジンガー、ジェフ・ブリッジス、エル・ファニング、ジョン・フォスター/監督・脚本:トッド・ウィリアムズ

海と湖畔に挟まれた別荘地のように閑静な場所で展開する作家とその妻と若い作家志望の青年との間に起こる物語。「ガープの世界」などを書いたアメリカの作家、ジョン・アーヴィングの小説を下敷きにしている。きっと、この小説家は実人生で体験したことを一部を取り入れ微妙にズラしながら、フィクションを創作しているのかな、という想像をさせる世界だった。
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| 2005年12月の映画 | 11:15 | comments(0) | trackbacks(2) |
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