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「ルート181」と「見ることの塩」
山形映画祭で上映された作品の中でも、ぜひ触れておきたい「ルート181」。イスラエルとパレスチナを横断する旅の断片というサブタイトルがついた作品だ。3部に分かれていて、それぞれが90分。全部で上映時間4時間半になる。ちょっと長すぎぃるぅう!と思うが、2年前に上映された「鉄西区」(6時間?)がいい作品だったので、その長さにめげずにやはり見なくちゃいかんと思った。

イスラエルの現状について知るというのは、私たち日本人にはかなり困難をともなうことは確かだ。自爆テロが日常的に起こっているところと聞いて、恐ろしくなる。宗教的・民族的な対立だけでなく、国際政治までが影響していて、なにがなんだかわからないことだらけ。
そんなとき、この映画祭に行く直前に、アマゾンでみつけて購入した本が役に立った。実際には、映画を見た後で目を通したんだけど。「見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行」。著者の四方田犬彦氏は映画評論でも知られる人。テルアビブ大学で日本映画について講義するためにイスラエルに数ヶ月滞在してときの体験をもとに書かれた第一部は、「ルート181」の内容を少しでも理解するための参考書として、まさにうってつけだった。見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行
救急車だけが人道的理由から通行を許可されていたが、兵士たちはとりわけ救急車を狙って銃を向けた。病院へ運搬されてゆく患者を装って、テロリストが身を隠しているからという理由だった。後になってわたしはミッシェル・クレイフィとエイアル・シヴァンが撮ったドキュメンタリー『ルート181』のなかで、無人状態と化したラマラーの街角の光景を見ることになった。(『見ることの塩』第一部・「イスラエル/パレスチナ〜西岸をめぐる」の章より引用)
たしか第2部(Center)の後半で、通りががらんとした無人で、十字路にライオンの像がある町がでてきたけど、あれが撮影当時に外出禁止令のでていたラマラーという町だということは、この本のおかげで知ることができた。戦車に乗っていた若い兵士がカフカなどの文学書を愛読していることがわかる会話があったけど、そこで触れられていたハンナ・アレントの「悪の凡庸さ」という本についても、四方田氏は触れている。映画をみて、ちょっと背景について知りたいと思う方には、この本ぜひおすすめです。

ルート181 10月15日・日仏学院での上映会山形では3部の途中までしか見られなかったので、悔しくてまた東京日仏学院で今週末の土曜日に上映されていたのを知って、行ってしまいました。山形映画祭の上映会とは、主催者が違うので、劇場の雰囲気もかなり違ってました。ミッシェル・クレフィ、エイアル・シヴァン両監督の話を聞けたのは嬉しかった。(上映後のシンポジウムを聴くのが主目的なのか、上映中落ち着かず、碌に映画を見てない人が隣席にいたのは残念だった。上映中に頻繁に携帯のメールをチェックするなんて・・・!?最低限のマナーを守りましょう!)

| 山形国際ドキュメンタリー映画祭 | 23:53 | comments(0) | trackbacks(2) |
山形映画祭の受賞結果
10月13日 、YIDFFからのメルマガで受賞結果を知りました。
◇インターナショナル・コンペティション(審査員:崔洋一、ドミニック・オーヴレイ、賈樟柯、呉乙峰)

ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)・・・『水没の前に』
山形市長賞(最優秀賞)・・・『ルート181』
審査員特別賞・・・『ダーウィンの悪夢』
優秀賞・・・『海岸地』
優秀賞・・・『静かな空間』

コンペの作品を集中してみてたおかげで、リスト中「静かな空間」以外はみんな見てるので、ふ〜ん、などほどぉと結果を知って面白かった。2年前に大賞を受賞した中国のあの長〜い長〜い「鉄西区」とはがらっと違った作品を選ぶとしたら、「ダーウィンの悪夢」や「海岸地」がいいんじゃないのぉ・・などと想像してたんだけど。
「水没の前に」は確かに見応えあった。でも、作品の質に関して驚いたというよりは、中国という国で起こっていることの規模の大きさと中国人の迫力にまさに圧倒されたというところもあって、この映画が一番に評価されるとは思ってなかった。どの作品にどの賞をあげるかという優劣の判断の基準を審査員の方々のコメントとして聞いてみたい気もするなぁ。ホームページには選考にかんする“審査委員長のコメント”のようなものはまだアップされていないようだけど。
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| 山形国際ドキュメンタリー映画祭 | 22:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
山形国際ドキュメンタリー映画祭 その4
10月11日 山形市中央公民館4F

10:30 怒江の声 Voice of an Angry River (評価:★★★)/ 霧の谷 Foggy Valley (評価:★★)

「霧の谷」は、雲南へ番組撮影に行ったTVディレクターの体験を元にした再現ドキュメンタリー。雲南の人に、カメラの前で民族衣装着てよ、牛貸してよ、撮影手伝ってよ、そういうたびに金をせびられる、なんなんだ?こいつら!そういうことを描きたかったらしい。この内容、よくわかる。いかにもありそう。でも、そうやって観光的なイメージを映像にしたがるTVディレクター側にも反省する点がありそう。雲南の人が、「私たち撮るんだったら、お金おいてってよ」という気持ちもある程度は理解できるのであって、雲南の人の言い方が、私たちの側かみると、「洗練されていない」という印象をあたえるというだけのことかも。
「金儲け主義は不潔だ」というような、誰でも納得できるけどありきたりな考えに寄りかからず、様々な矛盾のぶつかり合いを映像作品の中で暴き出して、その解決の糸口を見つけ出そうとするとき、きっと「作家のスタイル」というものが浮き上がってくるのだろう。あまり出来のよくない「霧の谷」も、反面教師的な意味で捉えれば見てよかったなぁと思う。

フォーラム5
13:00  ルート181 Route 181 - Fragments of a Journey in Palesine-Israel
評価:★★★★
東京へ帰るための新幹線の山形発時間が17:30だったので、17:10までしかみられなった。第1部≪South≫、第2部 ≪Center≫、休憩を挟んで第3部≪North≫の最初の30分程度まで。泣く泣く、途中で退場して駅に向かいながら、いい映画を見たという充実した気分と、一方で、15日に東京の日仏会館で行われるらしい「ルート181」の上映会&シンポジウムに行っちゃおうかなぁ・・などと考えていた。4時間半の上映時間をまた最初から繰り返すのもちょっとつらいんですが・・・まようところである。

友人と新幹線の中でセブンイレブンで買ったビールとおでんでとりあえず充実した日々を過ごせたことに乾杯した。乗車前にちらとみたら、駅構内でおいしそうに湯気をあげる玉コンニャクを発見!なんだ、味のないコンビニのおでんよりこっちのほうが数倍うまそうだ。でも時間がなくて駆け込み乗車状態だったので、玉コンニャクは買えなかった。要するに、また山形に来なさいというお告げ。次回のドキュメンタリー映画祭もまた来るぞと心に誓ったわけであった。
| 山形国際ドキュメンタリー映画祭 | 09:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
山形国際ドキュメンタリー映画祭 その3
10月10日 山形市中央公民館6F

海岸地の監督のひとり、アルベルト・エリンフスさん10:00 海岸地  Foreland
オランダ 70分 監督:アルベルト・エリンフス、オウジェニー・ヤンセン
評価:★★★★
ネーデルランド(低い土地)と呼ばれるオランダ。1年か2年に一度は氾濫するらしい、ある川の流域では、伝統的な牧畜業が営々と行われている。
一方で、開発の波もここに押し寄せてくる。風に運ばれる綿毛、飛び交う羽虫、牛たちが吐く息や水面に反照する光をカメラは静かに捉える。
自然と人間の関わりを静かに見つめる作品。生き物が発する様々な音を録音することにかなりの労力を払っているようだった。


「メランコリア 3つの部屋」の監督、ピルヨ・ホンカサロ12:30 メランコリア 3つの部屋  The 3 Rooms of Melancholia
フィンランド、ドイツ、デンマーク、スウェーデン 106分 監督:ピルヨ・ホンカサロ
評価:★★★★
今回の映画祭でもっとも作り込まれたドキュメンタリー作品といえるかも。
音楽と映像の組み合わせにもかなり凝っている。映像詩をみるよう。
チェチェン紛争という悲惨な現実が背景にあることは明らか。でも、何か遠い宇宙の果てに意識が運ばれていくような印象。
前半のロシアの士官学校の子供たちの顔がいちばん印象に残った。
この作品、実は好きなのか、嫌いなのか、正直言うとわからない。重たい、という印象が強い。


ジャスティスの監督、マリア・ラモスさん15:30 ジャスティス Justice
オランダ、ブラジル  100分 監督:マリア・ラモス
評価:★★★
ブラジルは殺人事件が多いなど、ラテンアメリカの中でも特におっかない国らしい。そして、特に低所得者層の青少年の犯罪が増加しているという。そんなブラジル社会で権力のあるものがないものを「裁くこと」の意味を追求したドキュメンタリー映画。この作品を見ていて、今年渋谷で公開されていた「バス174」(ホセ・パジーリヤ監督)と、だいぶ前の「少年裁判所」(フレデリック・ワイズマン監督)を思い出した。自分の国の恥部を捉えているわけで、司法機関の協力を得るのは大変だったと思う。映画の作り方はむオーソドックスな正攻法だと思った。監督さんが音楽を大学で勉強したという、お綺麗な女性で、びっくり。上映後、ロビーで直接話しかけて質問させていただいた。



「リハーサル」の監督、ミハウ・レシチロフスキーさん18:40 リハーサル Rehearsals
スウェーデン  96分  監督:ミハウ・レシチロフスキー
評価:★★★
服役中の囚人3人と、劇作家や演出家らが、刑務所内である芝居のリハーサルを繰り返す風景が続く。囚人たちが自分を舞台でさらけだすことが基本らしく、セリフをどうするかで、ときには議論も交わされる。初めはわからなかったけど、彼ら3人はネオナチで、暴力事件を起こして服役しているらしい。彼らの過激な差別的発言と、良識者の代表のような劇作家の民主的な考えの間にある溝は決して埋まらないように見える。この作品は、この後の実際の公演の後に起こった予想外の事件によって、当初描こうとしてた「埋まらない溝」がさらに増幅して浮き上がってしまっているように見える。監督のミハウさん、質疑応答ではテーマがテーマだけに重たい口調で語っていらっしゃったけど、その夜の香味亭でちょっと話しかけてみたら、ものすごく温かい人柄のおじさんでした。タルコフスキーの「サクリファイス」の編集も担当してたとか。




10月11日 山形市中央公民館4F

10:30 怒江の声 Voice of an Angry River (評価:★★★)/ 霧の谷 Foggy Valley (評価:★★)

フォーラム5
13:00  ルート181 Route 181 - Fragments of a Journey in Palesine-Israel
評価:★★★★
| 山形国際ドキュメンタリー映画祭 | 00:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
ダーウィンの悪夢について
今回の山形映画祭で見たかった作品のひとつに、「ダーウィンの悪夢」があった。しかし、仕事で一度東京に戻った日曜日と、それからやはり東京に戻らなくてはいけない火曜日の夜に上映されていたので、結局見られずじまい。特に、ザウパー監督が舞台に出てきて質疑応答のある火曜日に見たかったな。

実はこの作品、今年の5月にフランスに旅行したときに、パリの映画館で公開されていて、僕は見ていた。でも、仏語字幕だったし、日本の観客の反応も知りたかったので、ぜひまた見たかった。ミニシアターといっても、パリの街角の普通の映画館で、「ダーウィンの悪夢」は公開されていたの。たしか映画館には、魚の骨格が機関銃の形になっている絵のポスターが貼ってあったと思う。さて、日本では公開されるのでしょうか?僕は環境問題に留まらず、南北問題に踏み込んでいる、誰にとっても興味深いドキュメンタリー映画だと思うのですが。
→ダーウィンの悪夢についての過去の感想・・・5月28日6月13日6月14日

以前に書いた感想で間違いがあった。大変な間違い!ザウパー監督はオーストリア人だとおもってたけど、オーストリアだ。Hubertは、英語圏の人ならヒューバートと発音するんでは、と思い、そう感想に書いているけど、フーベルトが正解でした。なんと、初歩的な間違い!をして感想を書いていたとはお恥ずかしい。
| 山形国際ドキュメンタリー映画祭 | 23:29 | comments(0) | trackbacks(1) |
山形国際ドキュメンタリー映画祭 10月10日
山形新幹線車内10月の連休に山形映画祭に来て、映画にどっぷり浸かるつもりが、今日は東京に日帰りで戻らなくてはいけない。仕事なのでしょうがないとはいえ、悲しい!

山形から東京まで、新幹線で片道2時間45分ですよ!

山形にいれば、映画3,4本は見られるというのに!!

| 山形国際ドキュメンタリー映画祭 | 23:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
山形国際ドキュメンタリー映画祭 10月8日
10月8日 山形市中央公民館

10:00 老いた猫のお引越し  Moving Adult Cats
スウェーデン 58分 監督:ヨハン・ルンドボーグ
評価:★★★★

一人暮らしの老人がふたり登場する。
ひとりは裕福な家庭のおばあちゃん。夫に先だだれてすでに90歳近いらしい。
ダンスが好きで活発、人目で明るい人柄を感じさせるが、かつて癌摘出手術を受けたことがあるらしい。

もうひとりは、農園に暮らす変わり者のじいさん。薄暗い家で独身のまま母親と暮すうちに老いてしまった。
猫やニワトリだけが話し相手のような寂しい生活を送っている。これまでの人生について問いかけられると、
苦々しげに過去を振り返る。楽しい思い出よりも、後悔の念に責めらることが多いらしい。

老齢に達した二人の日常生活。時が流れ、老女は老人ホームに入る。
もうひとりの老人は農園で一人暮らしを続けている。いずれ厳しい冬を迎えるスウェーデンの寂しげな秋の空に、鳥の群れが行き交う映像が深い抒情を湛えているように感じた。

12:00 イラク − ヤシの影で In he Shadow of the Palms - Iraq
オーストラリア 70分 監督:ウェイン・コールズ=ジャネス
評価:★★★

アメリカ軍によるイラク侵攻前のバグダッドの様子。
市井の人々の生活。道端で新聞を売る男。
子どもたちにレスリングを教えることを生きがいとする男性は
駐車場を経営しながら子どもと生活。

休日に友人たちと文学や詩について議論するインテリたち。
パレスティナ人の男は「僕の最後のスマイルを撮っておいてくれ」と
冷笑を浮かべる。
そして、アメリカ侵攻。爆撃を受けるバグダッド。
誤爆現場で救出活動が行われる様子の緊迫感。
娘の出産に喜ぶパレスティナ系の男。4mc


マスメディアで伝えられないバクダッドの生の姿を多面的に捉える。ただし、2005年にこの映像をみることの無力を感じざるを得ない。
もっと前に発表してほしかった。
イラクの人々への同情を抱きながら、安易な連帯感を煽り立てず、
傍観者の態度を突き通している点が評価できると思う。


15:10  アフリカ・ユナイテッド Africab United
アイスランド  82分  監督:オーラフ・デ・フルル・ヨハネスソン
評価:★★

アフリカ、東欧出身のサッカー選手をあつめた弱小チームの奮戦振りを追いかけた作品。
各人物をユーモラスに描き、テンポのよさはフィクション映画をみるよう。
質疑応答で監督とカメラマンは選手たちに意識させないために小型カメラを用いたと語った。
ただ、個人的な印象としては、選手・監督たちがそれぞれのキャラクターを演じている感じ、むしろ強くカメラを意識しているように感じた。


18:30  水没の前に Before the Flood
中国 143分 監督:リ・イーファン、イェン・ユイ
評価:★★★

着々と進む三峡ダム建設事業。水の底に沈む町の人々が立ち退きを命ぜられ、移転先を捜し求める姿をカメラが記録する。巨大な国家中国では、右往左往する人民の日々の生活のエネルギーも
すごい。

人々が喧々諤々とやりあう場面が今ひとつ、何を話題にしているのか
分かりにくかった。また、悠久とした時間の流れがもうひとつ明確に感じられたらよかったのに。

質疑応答に現れた二人の監督は、眼鏡つけたインテリっぽい人という
予想と大きく異なり、ラップでもはじめそうな雰囲気があった。
| 山形国際ドキュメンタリー映画祭 | 23:48 | comments(2) | trackbacks(1) |
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